ー今日もまた、彼からの連絡はなかった。明日には来るのかなー


そう思いながら、相変わらず寂しい日々を送っていました。
涙があふれそうになるたびに、「いや、向こうも仕事なのだから仕方ない!」と、心が折れないようにしながら必死に自分を保っていました。


そんな中、ふと思い立って、幼馴染の高杉に連絡を入れてみました。
彼を疑いたくはありません。
あくまで仕事なのだと思いたい。
けれど、どうしてもぬぐい切れない不安から、私よりもネットにいる期間の長いこの友人に相談してみることにしました。

「あのさ、彼女からの連絡よりも、他の女の人と寝落ち通話とかって普通するものなのかな。」

私の中で、連絡が少ないことも気にはなっていましたが、その原因が他の女性との通話だと知ってから、心が張り裂けるような思いをしてきました。

ーあれだって、もしかしたらまさみさんをネットスカウトするための手段だったのかもしれないー

それが良いことか悪いことかは、いくら恋愛で少し視野が狭くなった私でもわかります。


ーけれど、それでも、お仕事の一環であってほしいー


半ば、祈るような思いで高杉からの返信を待ちました。

「ネットの世界じゃよくあることだよ。彼女がいても他の女と寝落ち通話とかさ。
もちろん、しろの彼氏がsぴしているっていうわけじゃないけど、浮気だってあると思うよ。
しろは一途だから、わからないかもしれないけれど。」


祈りは砕かれました。
もちろん、高杉が話しているのは一例であり、彼がそうだと断定できるものではありません。
高杉自身も、一途に奥さんのことを思い、結婚したのですから。


けれど、少なからず、このまさみさんという女性と話をしていて私との連絡が取れなかったのは確かです。
おそらく、一度や二度じゃないでしょう。


高杉からの返信を見て、私はあふれる感情が止まりませんでした。

ー私は、彼にとって連絡する価値もない女…ー



完全に自分を見失った瞬間でした。
それでも、私はまだ希望を捨てたくはありませんでした。

私は、私よりもネット歴が長くて、かつ異性の意見を聞こうととある人に連絡を入れました。
レリックさんこと、土屋栄一さんです。

土屋さんにも、私は同じ問いを投げかけました。
すると、思いのほか早く返信が来ました。


「付き合っているなら、そんなことはしないと思うなあ。
第一、しろがずっと待ってるの知ってるんでしょ?
そんな一途な女の子がいるのに、ふつう放っておかないと思うけれど。」

真逆の意見でした。
少しほっとしつつも、私の気持ちが実は彼には届いていないのではないかという疑念も湧いてきました。
さらに土屋さんは続けます。

「俺だったら、そんな彼女がいたら放っておかないけどなあ。」


聞くところによると、土屋さんは私や彼、高杉よりも年が上だといいます。


ー人生経験がそれなりにある人がそういうなら、そうなのかもしれないなー


もう少しだけ、
彼の仕事が落ち着くのを待とうと思いました。
連絡する間もないくらい、仕事が忙しいんだと思うことにしました。
かなり無理がある考えかもしれませんでしたが、私にはそうすることしかできませんでした。


そんななか、私はふと思い立ち、彼に贈り物をすることにしました。

おそらく、体を壊しても医者にかかる時間もないであろう彼のために、家庭用の常備薬と簡単に食べられるもの、そして手紙と、お仕事を頑張っているという彼へのとある有名な神社からいただいてきたお守り。

これを、彼のもとに郵送することにしました。
もちろん、彼に事前に連絡を入れました。

「亮平くんに送りたいものがあるんだけど、ゆうパックで送ったら届くかな?」

「大丈夫だよ!何だろう?待ってるね。」

思いのほか、早い返信でした。
私は荷物を丁寧に包み、翌日の仕事の昼休みに、郵便局にもっていきました。


受け取ってもらえると信じて。